大学卒業後、一般企業に就職しました。けれども、学生時代にあこがれていた理学療法士の夢をどうしても捨てきれない。一念発起して、会社を退職。理学療法士を育成する専門学校に3年間通ったのです。
理学療法士の資格取得後は、病院の回復期病棟で約5年間、リハビリ業務に従事しました。歩けなかった患者さんが、入院して数ヶ月後には歩けるようになって退院される。理学療法士にとって、自分の頑張りがはっきりと成果として実感できる回復期病棟での仕事はとても魅力的です。
でも、ひとつ気になることがありました。それは、退院された方がその後どのような生活を送られているのだろうかということ。その想いが日を追うごとに膨らんでいったのです。
現在、機能訓練課チームは、機能訓練チーム チーフの私と作業療法士2名、言語聴覚士1名の計4名で構成されたチームなのですが、それぞれのキャリアを活かしつつ、ご入居者の機能訓練に取り組んでいます。機能訓練課チームは、当社がこれから特に注力していく、リハビリを担当する専門部署。その期待に応えるために、これからも頑張っていきたいと考えています。
「フェリオ」では、個別リハビリを実施しています。けれども、リハビリを望まれている方もいれば、そうでない方もいます。そこで、ご入居者の機能回復につながる介護方法を介護士の方たちに伝達して実践してもらう生活リハビリも併せて行っています。ユニットの介護士の方たちと上手に連携しながら進めていきたいですね。
一方、個別リハビリは、リハビリを通してご入居者のお話をじっくり伺うことができる大切な時間です。「あなたが来てくれると、たくさんおしゃべりできるから楽しみなのよ」とおっしゃっていただけることもあるんですよ。
ご入居者にとって、ここは生活の場所。その生活の邪魔にならないようにリハビリを行うことが求められます。その中にあって、「ご入居者が、毎日の生活を笑顔で幸せに過ごされていること」が、とても大切に思えます。たとえばそれは、歩きたいと思っている方が、いつまでも変わらず歩き続けられること。外出したいと思っている方が、いつまでも安全に外出できること。ご入居者のそうした日々の幸せが、私にとっていちばん大きなやりがいでもあります。
人にしかできない、そして人を幸せにできる仕事。
こんなに尊い仕事に出会うことができて、本当によかったと思っています。